今回は、八光流を修行する少年が大活躍する漫画『雷光くん』(どや一平・作)について、ご紹介します。
『雷光くん』の存在については、以前の記事「実は意外なかたちで世に出ていた八光流柔術」でも少し触れました。その記事では、三波春夫氏が歌う八光流柔術の曲についてもご紹介しています。

漫画『雷光くん』とは、昭和35年(1960年)頃に当時の人気雑誌『少年クラブ』(講談社)に連載されていた漫画です。



この作品はかなりの人気を博していたようで、幾度となく別冊付録にもなっています。
八光流柔術をモデルにした武道、作中では「八光道」を修行する主人公の少年・雷光くんが、襲いくる様々な流派の武道家をしりぞけていく「熱血武道まんが」なのです。
じつは作者の「どや一平」氏は、八光流柔術の高段者であったため、雷光くんが使う技は八光流柔術の秘技がベースになっていることが伺えます。先ほどの別冊表紙や扉でも、八光の構えや八光投げのようなポーズが描かれています。



八光の構えについては、記事「多様な場面で使える! 八光流柔術の当身とは?」をご参照ください。

また、八光道の極意として、催眠術や金縛りのような技を使ったり、雷光くんの師匠が気合術で相手を止めたり、離れた場所から危険を察知するシーンも描かれています。こうした描写には、単なる強さではなく、武術を極めた先に存在するであろう境地への洞察が感じられます。
未然に危険を察知することの重要性については、記事「なぜ、八光流柔術では試合を行わないのか?」をご参照ください。

そして雷光くんの師匠が語るのが、「技でない技」、つまり「科学でわりきれない神の技」です。例えば、「ピストルで撃たれてもなんともならない技」があるというのです。この時代に、これほど武道の神秘性やロマンを前面に押し出した少年漫画があったことには驚かされます。
『雷光くん』の時代には現在のようなYouTubeもTVゲームもなく、少年たちの娯楽といえば、漫画の存在が想像以上に大きかったことでしょう。
別冊付録『雷光くん』の裏表紙には、漫画『快傑ハリマオ』や『マッハ三四郎』がテレビやラジオでも人気と記載されています。昭和後期生まれの私でも、これらの作品は有名なので聞いたことがあります。

ただ、当時の少年たちも、2026年現在は70代後半に差し掛かっているため、私を含めてリアルタイムで『雷光くん』を読んでいたという人は少ないかもしれません。
その後、昭和40年代後半(1970年代)頃、極真空手の大山倍達総裁をモデルにした『空手バカ一代』(原作:梶原一騎、作画:つのだじろう→影丸譲也)が大ブームとなり、極真空手の入門者が殺到したと聞きます(ブルース・リー主演映画「燃えよドラゴン」(1973年)の大ヒットも関係しているかもしれません)。

なお、私の少年時代に流行った漫画では、『キャプテン翼』『SLAM DUNK』『ドラゴンボール』『キン肉マン』などがありますが、『キャプテン翼』でサッカーブームが巻き起こり、『SLAM DUNK』でバスケ人気が盛り上がったのを記憶しています。


このように、いつの時代も人気漫画は少年や若者たちの心をガッチリと掴み、多大な影響を及ぼしていることがわかります。
ちなみに、私が武道・武術に興味を持ったきっかけは、幼少期に見た「仮面ライダースーパー1」(1980〜1981年)と「太陽にほえろ」(1972〜1986年)の一つの放送回です。
「仮面ライダースーパー1」は、主人公が架空の中国拳法「赤心少林拳」を使いこなすという設定でした。記憶にある最初の仮面ライダーが、偶然にも拳法家でした。
また、刑事ドラマ「太陽にほえろ」で、強烈に印象に残っているのが第544話「屈辱」(1983年放送)です。刑事ボギー(世良公則)が空手の達人・南に一度は徹底的に叩きのめされますが、最後に、伝授された「こめかみへの親指一本拳による一撃」で大逆転したのです。
なお、空手と八光流柔術の関係性については、記事「空手との併修にも、八光流柔術は最適だった」をご参照ください。

人は皆それぞれ、生来惹かれる何かがあると思いますが、その興味や熱意に火をつけるきっかけとして漫画やドラマ・映画などの作品による影響は大きいでしょう。
また、『雷光くん』の後にも、八光流柔術をモチーフにした武術が登場する漫画がいくつかあるのです。
例えば、『浮浪雲』(ジョージ秋山・作)や、「八紘流合気柔術」の使い手が登場する『軍鶏』(たなか亜希夫・作)などです。


漫画家の方々、小説家の方々、あるいは映画やドラマ関係者の皆様には、ぜひまた八光流柔術が登場する作品を出していただくことを心より期待しております。
八光流柔術の魅力は、実際に身体で体験してこそ伝わる部分も多くあります。
護身道シブヤは、初心者の方にも安心して参加していただける少人数クラスで行っています。
稽古の体験希望、または質問などは、下記フォームよりお気軽にお願いします。
あるいは、InstagramやFacebookからのメッセージ等で、お問い合わせをいただいても大丈夫です。
ご返信は、翌日か、遅くとも2〜3日以内にさせていただきます(送受信のトラブルがない限り)。

